免疫干渉反応ブロッキング剤

異好性抗体とリウマチ因子は免疫測定検査において大きな干渉の原因となります。このような抗体は、一般的にHuman-Anti-Animal-Antibodies (HA A As)と呼ばれており、患者検体では測定試薬中の被検物質に特異的な抗体との間で相互作用が生じます。これらの相互作用は正確性に影響を与え、偽陽性または偽陰性の結果をもたらします。ほとんどの免疫測定試薬では、マウス由来モノクローナル抗体が使用されているため、ヒト抗マウス抗体（human anti-mouse antibodies: HAMA）が最も一般的な干渉の原因となります。
患者検体の最大10%程度がHAMAを含んでおり、その特性は、アイソタイプ（IgG、IgM、IgA、IgE、IgD）、特異性または濃度によって大きく異なります。ロシュ・カスタムバイオテックが提供するブロッキング剤の IIB ツールボックスは、相互作用の機序や測定原理に応じた効果的かつHAMAによる干渉に高い特異性を示すブロッキングソリューションを提供します。さらに、HAMA干渉コントロール血清は、お客様の製品の製造時における品質管理だけでなく、測定試薬開発段階における異好性抗体による干渉に対しての正確性の検討・評価に用いることができます。

検出系における干渉は、患者検体中の異好性抗体と、ストレプトアビジンやアルカリフォスファターゼ（AP）標識酵素などの検査試薬中のアッセイ検出成分との交差反応により惹起されます。
これらの相互作用は、被験物質が不在でもシグナルを引き起こす可能性があり、偽陽性の結果を生じさせることがあります。
私たちの免疫干渉反応ブロッキング剤ポートフォリオは、コンジュゲートされた検出試薬との干渉を抑えるためにデザインされた強力なブロッキング剤を選択して提供しています。お客様の検出系に最適なブロッキング剤は、使用されている特定の酵素や標識コンジュゲートに依存し、非活性型の変異酵素（mutein）やカスタマイズされたソリューションを含む場合があります。

固相表面における干渉は、試験サンプル中の血清/血漿タンパク質や疎水性物質と、免疫アッセイの保護されていない固相表面の間での非特異的な相互作用によって惹起されます。
このような相互作用は、使用されている各種固相（例えばコーティング処理または未処理のマイクロタイタープレートや各種ディスポーザブル製品）の表面の状態に依存し、バックグラウンドを増加させます。
ロシュ・カスタムバイオテックのウシ血清アルブミン（Bovine Serum Albumin: BSA）系ブロッキング剤は、免疫検査で使用されるあらゆるタイプの固相に対して有効です。これらのブロッキング剤は、反応表面、試薬成分および被検物質間の複雑なマトリックス中で発生する広範囲な干渉反応に対して効果があります。固相表面における干渉反応を効率的にブロックすることで、バックグラウンドシグナルを減少させ、アッセイの感度とダイナミクスを向上させ、試薬の安定性を改善します。